Episode19】番外編 
  国際映画祭の街カンヌ
     +南仏そぞろ歩きの旅
                後編

 

ニースへ

ムージャン、フレジュスに行った次の日は、カンヌから東へ列車で1時間、ニースに行ってみた。ニースといえばヨーロッパ、いや世界でも屈指のリゾート地だ。コートダジュールの中心都市でもある。フランス領だが、歴史的にはイタリア文化圏だった時代の方が長く、言語や文化面ではイタリアに近いと言われている。19世紀から高級リゾート地として貴族たちに愛されてきた。

ニース・ヴィル駅
 ニースの表玄関ニース・ヴィル駅に着いた。駅舎がクラシックで立派だ。驚いたことに、この駅には自動改札機があった。マルセイユやカンヌやフレジュスには改札口すら無かったが、このニース・ヴィル駅には自動改札機が設置されていた。だが見ていると、チケットを改札機に通して入場する客の後ろにピッタリ付いて、チケット無しで入場する人が後を絶たない。4~5人で押し通るグループもいる。「ブッブー」とブザーが鳴っても平気で通っていく。またブザーが鳴っても、駅員が駆けつけてくるわけでもない。日本では見ることのない不思議な光景だった。

ニース駅3
ニース・ヴィル駅前で筆者。

 

世界屈指のリゾート「ニース」

ニースは駅前から海岸までの大通り、ジャン・メドサン通りも立派で、大きなビルが立ち並んでいる。ここがニースのメインストリートだ。ジャン・メドサン通りにはトラムが走っていて、コートダジュールの中心都市の貫禄を感じる。この通りを海に向かって15分ぐらい歩くと、赤い建物に囲まれたマセナ広場がある。普通の都市では感じられない、リゾートならではの色彩感だ。

マセナ広場
マセナ広場

 

プロムナード・デザングレ

マセナ広場を抜けると、すぐに地中海が見えてくる。そこから西に3.5kmも延びている海岸沿いの広い遊歩道がプロムナード・デ・ザングレ。ここが世界のニースを象徴する場所だ。様々なイベントも催されるらしい。冬場でも大勢の観光客で賑わっていた。

プロムナード・デサングレ1
プロムナード・デ・ザングレ

ところどころにベンチが設置してあるので、ビーチとコート・ダジュールの海を眺めるのにもってこいだ。

プロムナード・デサングレ2

プロムナード・デサングレ3
プロムナード・デ・ザングレのベンチ


 プロムナード・デ・ザングレの山側にはネグレスコやハイアット・リージェンシーなどの高級ホテルがズラリと並ぶ。その規模と豪華さはコート・ダジュールでも随一だ。

ニースホテル街
プロムナード・デ・ザングレに建ち並ぶ高級ホテル群

 

ビーチ

浜辺の砂浜は夏場になると、一部のパブリックスペースをのぞいてホテルのプライベートビーチになるらしい。冬場でも昼食時になると、ホテルのレストランが大きなテントを設置して、海辺のレストランを開いていた。

ニース砂浜

ニースプライベートビーチ

 

これぞコート・ダジュール、展望台の絶景

ここまでがリゾート地としてのニースの表の顔だが、私が気に入ったのはコート・ダジュールを見下ろす展望台と旧市街だ。

まずは展望台。プロムナード・デ・ザングレの東の端からアルベール1世公園を抜けて浜辺沿いに東に歩いていくと、岬の山にぶつかる。ガイドブックによると、ホテル「スイス」の横に展望台に行くエレベーターがあるらしいのだが、見当たらない。ホテルらしい建物の左側の崖につづら折れの石段があって、観光客がゾロゾロと登っている。それを登って行くと、右手にニース市内、真ん中に長い砂浜、そして左手に海が広がってくる。結構長い階段だが、踊り場ごとに写真を撮りながら登るので気にならない。登るにつれて視界が広がり景色がどんどん良くなっていく。

ホテルの屋上と思しきところまで登った。見事な景観だった。ニースの街並みがすべて見渡せる。右手奥に新市街。手前には旧市街の赤い屋根が鮮やかだ。正面には緩く左に弧を描くニースの砂浜とプロムナード・デ・ザングレ、それに高級ホテル街。そして圧巻は左手に広がる地中海。コート・ダジュール「紺碧海岸」の名に恥じない紺碧の海だ。その深い色合いが何ともいえない。

ニース俯瞰1

中間にある展望台からのニース俯瞰。奥の白っぽい街が新市街、手前の赤茶色の屋根が旧市街。旧市街は右奥に拡がっている。

ニース俯瞰2
ニースの砂浜と紺碧の地中海。砂浜の右側にはプロムナード・デ・ザングレを挟んで
高級ホテルが立ち並んでいる。


 なんだかとっても「幸せ」を感じた。私が行ったのは昼を少し廻った頃だったが、それ以上遅くなると、太陽が逆光となり、海が光ってしまって「紺碧」が消えてしまう。ギリギリのタイミングだったと思う。※実は背後の城山のもう少し高いところに、ガイドブックに書いてある本物の展望台があるらしい。そこからは旧市街が真下に見え、その左奥に地中海が見えるようだ。

 

ニース旧市街

 旧市街はなかなかのものだった。ニースの表の顔である豪華なホテル街や華やかな表通り、レストラン街やブティック街からは想像もつかない中世っぽい街並みだった。新市街からの入り口ともいえるサレヤ広場は広い通りで、カフェやレストランに囲まれた通りだが、新市街よりもやや庶民的な雰囲気が濃くなるエリアだ。大きな花市や朝市が立ち、週に1度はアンティーク市も開かれるそうだ。

サレヤ広場2
サレヤ広場。左手に旧市街が拡がる。


 そのサレヤ広場から北側の通路に入ると、さらに雰囲気がガラリと変わる。狭い路地が縦横に走り、正しく中世の下町の趣となる。その狭い路地に土産物や食べ物を売る商店がひしめいている。

旧市街路地2 (2)
ニース旧市街の路地

 

その細い路地の先にいきなりサント・バラット大聖堂の大きな建物が現れたりするのだ。広場では魚屋の屋台設けられ、地中海の新鮮な魚介類が並べられていた。

旧市街路地2 (1)
旧市街路地から見たサント・バラット大聖堂の鐘楼

サン・レパラット大聖堂

サント・レパラット大聖堂

 

ラスカリ宮が見所とガイドブックに書いてあったが、見つけられなかった。帰り道のすれ違うのも難儀するような路地に、地図に名前も載っていない大きな教会があった。向いのカフェの前の空き地からカメラを構えても、全景が入り切らない。

○○教会3
名前の分からない教会

 

中に入ると、驚くほど立派な身廊だった。隅々まで目を見張るような豪華な装飾が施されている。奇跡を描いたと思われる立派な絵画、キリストやマリアの色彩豊かな像が左右の則廊を飾っている。

○○教会内部1

〇〇教会ない部2
名前の分からない教会の内部


旧市街の魅力 

 ニースの旧市街はバルセロナの歴史地区に似ているがもっと庶民的だ。住んでいる人々の暮らしや匂いがする町だ。私はヨーロッパに行って、旧市街と聞くと、矢も楯もたまらずに行きたくなってしまう。今回もニースの旧市街は私を裏切らなかった。


長い歴史と文化に彩られたコート・ダジュール 

思えばコートダジュールが、チャラチャラしたリゾート地だという思い込みは、私の浅墓さから来たものだ。イタリアとの国境間近の地中海沿いで、背後にアルプス山脈が迫っていることを考えれば、古代ローマの時代からガリア地方(今のフランスやベルギー)やイベリア半島(今のスペイン、ポルトガル)への重要路で、街道や港で栄えてきたであろうことは、気が付いても当然だった。中世になっても中東と西欧を結ぶ重要路であったことは変わらない。リゾート地として賑わうようになったのは近代になってからだろう。

古代から積み重ねた長い歴史と文化の蓄積は、日本を遥に凌ぐものであったに違いない。魅力的な鷹の巣村や小さなリゾートの街や港は、後で調べると無数にあった。機会があればもう一度、今度はちゃんと下調べをしてから訪れてみたいと思う。

 

     【Epsode19 The  End  

 

※次回は来週水曜日(2025年1月15日)に投稿予定。



お知らせ

 スマホではこの後に、私が関知していない広告が掲載されるようです。目障りだと思われる方もおられると思います。お目にふれないようにスペースを作るため、般若心経を入れておきます。

摩訶般若波羅蜜多心経

観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 

照見五蘊皆空 度一切苦厄  舍利子 

色不異空 空不異色 色即是空 空即是色 

受想行識亦復如是  舍利子 是諸法空相 

不生不滅 不垢不浄 不増不減 

是故空中 無色 無受想行識 

無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法 

無眼界 乃至無意識界  無無明 

亦無無明尽 乃至無老死 亦無老死尽 

無苦集滅道 無智亦無得 以無所得故 

菩提薩埵 依般若波羅蜜多故 

心無罣礙 無罣礙故 無有恐怖 

遠離一切顛倒夢想 究竟涅槃 

三世諸仏 依般若波羅蜜多故 

得阿耨多羅三藐三菩提  故知般若波羅蜜多 

是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪 

能除一切苦 真実不虚  故説般若波羅蜜多呪 即説呪曰

羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶

般若心経